「ストレスチェックがうちの会社も義務になるらしいけど、何から手をつければいいのか分からない」。
「実施はしているものの、結果を配って終わりになってしまっている」。
総務・労務のご担当者から、そんな声をよく耳にします。
産業医もいない、専任の担当者も置けない――小規模な事業場ほど、メンタルヘルス対策は悩ましいテーマではないでしょうか。
この記事では、ストレスチェック義務化の対象拡大という制度の動きを整理したうえで、
メンタルヘルス対策を「心のケア」だけで完結させず、
運動器(からだ)へのアプローチと組み合わせるという考え方をご紹介します。
ストレスチェック義務化はどう変わるのか
ストレスチェック制度は2015年に始まり、現在は労働者50人以上の事業場に年1回の実施が義務づけられています。
高ストレスと判定された労働者から申出があれば医師による面接指導を行うこと、また部署ごとの集団分析と職場環境改善は努力義務とされています。
ここに大きな変化が近づいています。
2025年5月に公布された改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)により、労働者50人未満の事業場についてもストレスチェックの実施が義務化されることになりました。
施行日は「公布後3年以内に政令で定める日」とされており、本稿執筆時点では確定していませんが、遅くとも2028年5月までには施行される見込みです。
これに先立ち、厚生労働省は2026年2月に「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表しました。
産業医の選任義務がない小規模事業場でも、労働者のプライバシーを守りながら現実的に実施できる体制・方法が示されています。
小規模事業場での具体的な実施方法や経過措置の詳細は、
今後の政令・省令や通達で順次固まっていく部分が残っています。
自社が対象となる時期や実施要件については、厚生労働省の公式サイトで最新情報をご確認ください。
メンタルヘルスと「体」の意外なつながり
ストレスチェックというと「心の問題」と捉えられがちですが、心と体は切り離せません。
厚生労働省の研究班がまとめた身体活動に関する資料では、
身体活動(運動・生活活動)は、うつ症状やうつ病の発症リスクを低下させることが科学的根拠として示されています。逆にいえば、運動不足はメンタルヘルス不調のリスク要因のひとつになり得るということです。
また、腰痛や肩こりといった運動器の痛みと心理的ストレスは相互に影響し合うことが知られています。
痛みが続けば気分は沈み、仕事への集中も削がれます。
一方で、ストレスの高い状態は痛みを感じやすくさせる方向にも働きます。
「なんとなく調子が悪い」「出勤はしているがパフォーマンスが上がらない」という状態(プレゼンティーズム)の背景に、心と体の両方の要因が絡んでいるケースは少なくありません。
つまり、メンタルヘルス対策を本気で進めるなら、ストレスチェックで「心の状態」を測るだけでなく、
体の状態――体力・筋力・柔軟性・痛み――にも目を向けることが、対策の幅を広げることにつながります。
ストレスチェックを「やって終わり」にしないために
ストレスチェックの本来の目的は、不調者を見つけることではなく、**不調を未然に防ぐこと(一次予防)**です。
しかし実務では、実施して結果を返却した時点で止まってしまう職場が多いのが実情です。
やって終わりにしないための鍵は、次の2つと考えられます。
ひとつは、集団分析の結果を職場環境の改善につなげること。
部署ごとのストレス傾向が見えても、「では何を変えるか」まで落とし込めなければ数字を眺めて終わりです。
もうひとつは、従業員が自分でセルフケアできる具体的な手段を用意すること。
ストレスチェックの結果を渡されても、「で、どうすれば?」に答えるものがなければ行動は変わりません。
ここで、運動という誰にでも取り組める手段が活きてきます。
体を動かす習慣づくりは、メンタルヘルスの一次予防と、腰痛・転倒などの労災予防の両方に効く、費用対効果の高い打ち手です。
PRACTの視点:理学療法士だから「心と体」を橋渡しできる
PRACTは、理学療法士が札幌の企業を訪問し、働く人の運動器の状態を評価する産業保健サービスを提供しています。
理学療法士は、体力・筋力・柔軟性・バランス・痛みを客観的に評価し、
その人の体の状態に合わせた運動プログラムを組み立てる専門職です。
医療機関でのリハビリテーションを通じて、痛みと心理的要因の関わりにも日常的に向き合っています。
**「おとなの運動器検診」**では、ストレスチェックが心の状態を数値化するのと同じように、
働く人の体の状態を数値化します。自分の体の現在地が分かることは、セルフケアの第一歩です。
さらに**オンサイトPT(理学療法士の企業訪問)**を組み合わせれば、
検診で「測って終わり」にせず、一人ひとりの結果に基づいた運動指導や職場でできるセルフケアの提案まで、
その場でつなげることができます。
ストレスチェックが「心を測って、面接指導につなげる」制度だとすれば、
運動器検診×オンサイトPTは「体を測って、行動につなげる」仕組みです。
両者を並走させることで、メンタルヘルス対策は「アンケートと面談」だけの取り組みから、
従業員が体感できる健康施策へと広がります。
まとめ
ストレスチェックの義務化は、
改正労働安全衛生法により50人未満の事業場にも拡大されることが決まっており、
施行日は今後政令で定められます(最新情報は厚生労働省の公式サイトでご確認ください)。
小規模な職場こそ、限られたリソースで「やって終わり」にしない仕組みづくりが問われます。
身体活動がうつ症状・うつ病の発症リスクを下げることは科学的根拠のあるアプローチです。
心の対策と体の対策は別物ではなく、組み合わせることでお互いの効果を高めます。
ストレスチェック対応を考えるこのタイミングを、従業員の「心と体」をまとめてケアする体制づくりの機会にしてみてはいかがでしょうか。
札幌で「心と体の両面からの健康経営」を始めるなら
PRACTでは、理学療法士による「おとなの運動器検診」とオンサイトPTのパッケージで、貴社のメンタルヘルス対策・労災予防をサポートします。ストレスチェック義務化への対応と合わせた導入のご相談も承っています。

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