「テストはしてみた。でも、この後どうすればいいのか分からない」
2026年4月の法改正により、高年齢労働者への安全衛生対策は多くの事業者にとって「努力義務」になりました。
それを受けて、ロコモ度テストや厚生労働省の「転倒等リスク評価セルフチェック票」を使い、
自社で体力チェックを実施したという企業は増えています。
しかし、実際にテストを終えた担当者の方から、こんな声をよく聞きます。
- 「片足立ちや5回立ち上がりテストの数値は出た。でも、これが良いのか悪いのか判断できない」
- 「『黒枠が小さい=リスクが高い』とは分かるが、具体的に何を改善すればいいのか分からない」
- 「結果を従業員に返したものの、そのまま特に何もできていない」
体力測定そのものは、道具さえあれば現場でも実施できます。
ところが、測定して終わってしまい、対策に落とし込めないまま数か月が過ぎている——というケースは、
決して珍しくありません。
なぜ「測定して終わり」になってしまうのか
理由はシンプルで、体力測定の結果を「その人の動作の課題」や「職場のどこに潜むリスク」に翻訳するには、
運動器・身体機能の専門知識が必要だからです。
たとえば5回立ち上がりテストの所要時間ひとつをとっても、単に「遅い/速い」で判断するのではなく、
- 何が原因で時間がかかっているのか(下肢筋力なのか、バランス能力なのか、動作の仕方なのか)
- その結果が実際の作業のどんな場面(段差、重量物の運搬、脚立作業など)でリスクにつながるのか
- 個人差にどう対応するか(配置転換で対応すべきか、運動指導で改善できる範囲か)
などといった見立てが必要になります。
ここは、人事・労務のご担当者が単体で判断するにはハードルが高い領域です。
「測定」の次にある「対策設計」というステップ
厚生労働省が推奨する高年齢労働者対策も、実は「測定して終わり」を想定していません。
健康診断や体力チェックに加え、その結果に応じた
- 職場環境の改善(段差解消、手すり設置、防滑床材など)
- 作業方法の改善(休憩の取り方、重量物運搬の補助機器導入、配置転換)
- 個別の運動指導・保健指導
という3本柱まで実行して、はじめて対策として機能します。
つまり体力測定は「対策設計のスタート地点」であって、ゴールではないのです。
エイジフレンドリー補助金「専門家総合対策コース」という選択肢
この「測定から対策設計まで」を後押しする制度が、厚生労働省のエイジフレンドリー補助金です。
令和8年度からは「専門家総合対策コース」が2段階の申請方式になりました。
- 第1段階:労働安全衛生の専門家によるリスクアセスメントの実施
- 第2段階:その結果を踏まえた職場環境改善・運動指導等の実施
上限額は100万円(消費税除く)。つまり、自社で測定した結果を専門家に見てもらい、
そのまま対策設計・実行までを補助金を使って進められる制度設計になっています。
すでに自社でロコモテストや体力チェックを実施済みという企業にとっては、
ここから専門家のリスクアセスメントにつなげるだけで、第1段階の要件を満たせる可能性があります。
「測定はしたけれど、その先に進めていない」という状態は、実はこの補助金を活用する好機でもあるのです。
専門家対策コースについての記事はこちら

理学療法士(PT)に相談するメリット
弊社では、理学療法士が体力チェック・ロコモテストなどの結果を読み解き、
- 個人ごとの動作分析(なぜその数値になったのか)
- 職場の作業内容に即したリスクの見立て
- 実行可能な改善計画(環境改善・運動指導)の設計
までを分析し対策のサポートしています。
数値を「見て終わり」にせず、現場で実際に効果のある対策に落とし込むところまで伴走できるのが、
運動器の専門職であるPTならではの強みです。
測定を考えているならば、お気軽にご相談ください
すでに社内でロコモテストや体力チェックを実施された企業様は、その結果をお持ちいただくところからご相談いただけます。「この数値をどう読めばいいのか分からない」「対策の立て方が分からない」という段階からで構いません。
エイジフレンドリー補助金の活用も含めて、測定の先にある対策設計まで一緒に進めていきましょう。

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